合同会社・日本版LLCはスモールビジネスに適した会社。
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合同会社・日本版LLC
会社法の施行により新たに登場した合同会社。
今、多くの合同会社(LLC)が続々と設立されています。
従来、出資と経営がひとつとなったいわゆる「人的会社」には、合名会社と合資会社が存在していましたが、どちらも会社の債務に対して無限責任を負う無限責任社員の存在が不可欠であることから経営者のリスクという面では不安がありました。

会社法で登場した合同会社・日本版LLCは、出資者たる経営者は出資額を限度とする有限責任となり、リスクは大幅に軽減されます。

■合同会社とは
合同会社いわゆる日本版LLCとは、出資者の全員が有限責任社員でありながら株式会社のような機関設計(株主総会や取締役、監査役などを会社の機関という。)や株主の権利(株主平等の原則など)といった強制的な規定がなく、総社員の同意に基づいて会社の定款変更や会社の意思決定ができるなど迅速な会社運営が可能であり、小規模企業に最適な会社組織です。

■合同会社のメリット
《有限責任です
社員の個性が重視される持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の中でも合同会社は、出資社員の全員が有限責任社員であり、これは従来の人的会社の考えからすると大きなメリットといえます。

《定款・総社員の同意で自由に決められます》
株式会社に比べて広く定款自治が認められています。株式会社では出資者の意思決定機関として必ず株主総会を行う必要があるほか、業務執行機関として取締役その他を設ける必要があるなど会社法において詳細に規定されています。合同会社ではこのような規定はないので、出資者の意思決定や業務執行は総社員の同意で行うことができます。
さらに、株主平等原則などもないことから定款で決めさえすれば利益の配当を出資比率ではなく別の基準での利益配当を行うこともできることになります。

《会社です》
また、有限責任事業組合(いわゆる日本版LLP)とは、内部関係が組合的な規律となることは共通していますが、有限責任事業組合はあくまで組合であり会社ではありません。このため、法人であることのさまざまなメリットは合同会社だけが受けられることになります。
株式会社への組織変更も可能です。(組合からは不可)

《設立コストも》
設立における現実的な面を見ると、株式会社では必要な定款の認証や出資金の保管証明などは不要であり設立コストは合同会社のほうが有利です。

《資金調達の道も広がります》
社債の発行は、今まで株式会社だけが発行できましたが新会社法においては合同会社などの持分会社も発行できるようになります。金融機関からの借入だけでなく社債発行という直接金融の道が開かれました。

■合同会社のデメリット
合同会社では、出資者が全員有限責任しか負いませんから債権者保護という面では特別な規定がおかれています。それは、合同会社は貸借対照表・損益計算書等を作成しなければならないものとし、合同会社の債権者はその閲覧または謄写の請求をすることができるという規定です。債権者に対しては貸借対照表等の書類を開示する義務があるのです。

また、会社法が国会で採決されるに当たって次のような附帯決議が行われています。
(附帯決議とは政府が法の施行において格段の配慮をすべき事項です。)

「合同会社制度については、今後の利用状況を観察し、株式会社の計算等にかかる規制を逃れるために株式会社から合同会社への組織変更等が顕在化した場合には、必要に応じ、その計算に関する制度の在り方について、見直しを検討すること。」

「合同会社に対する課税については、会社の利用状況、運用実態等を踏まえ、必要があれば、対応措置を検討すること。」

実際に合同会社が設立され、その運用実態によっては、合同会社の計算制度や課税制度が影響を受ける可能性があります。

■合同会社の発展形
ビジネスは小さく生んで大きく育てるのが鉄則です。設立が簡単で意思決定のスピードが速い合同会社でまずスタートしその後、株式会社に組織変更することも可能です。
また、組織変更だけでなく株式会社との合併、会社分割といった組織再編成も可能となります。この場合、株式会社、合同会社のどちらでも存続会社となることもできるのです。

■合資会社の受け皿にも
現在、合資会社を設立されている方は定款変更のみで合同会社に種類変更することができます。(新会社法では合資会社、合同会社とも株式会社への組織変更も可能です。)
合資会社のメリットを生かしてリスクの軽減を図りたい方は合同会社への変更も視野に入れてはいかがでしょうか。

■LLP(有限責任事業組合)との違い
LLP(有限責任事業組合)はあくまで、組合であり会社ではありません。法人格を持たず参加する組合員の集合体です。これに対して合同会社(LLC)は会社であり、法人格を持ちます。会社自体が権利主体になり、税金も法人税が課されます。どちらが良いということは簡単には言えませんが、小さくても会社としてのメリットを享受したい場合には合同会社を選択すべきです。

■スモールビジネスをはじめる方へ
会社形態を株式会社にこだわらなければ、合同会社はスモールビジネスにとって最良の選択だと思います。自分サイズの起業を合同会社で行い、軌道に乗って発展していく過程で株式会社への組織変更を行う。また、スモールビジネスのまま行くにしても、有限責任の合同会社で会社メリットを享受する。こういった現実的な考えが今後は主流になるのではないでしょうか。

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