| |
|
|||||||||||||
| さいとう社会保険労務士事務所 経理情報 | |||||||||||||||||||||
| 平成17年4月からの年金改正について | |||||||||||||||||||||
4月から年金制度には、いろいろな変更が行われます。 主な改正論点は次のとおりです。 1.国民年金保険料値上げ 2.国民年金任意加入被保険者の強制資格喪失 3.国民年金特例による高齢任意加入被保険者の拡大 4.若年者の国民年金保険料納付猶予制度 5.口座振替割引制度 6.申請免除・学生納付特例制度等の承認の遡及 7.老齢厚生年金定額部分の上限見直し 8.60歳台前半の在職老齢年金の改善 9.障害厚生年金1級2級の最低保障(65歳以後) 10.第3号被保険者の特例届出 11.老齢基礎年金の繰下制度改善 12.国民年金保険料追納に係る優先順位 13.育児休業期間に係る保険料免除制度拡大 14.育児期間に係る標準報酬月額みなし措置 15.厚生年金基金免除保険料率の凍結解除 16.厚生年金基金の解散の特例措置 以下、順次解説いたします。 1.国民年金保険料値上げ 国民年金の保険料が13,300円から13,580円になります。 2.国民年金任意加入被保険者の強制資格喪失 国民年金は、20歳〜40歳までの40年間保険料を納付しなければ、満額の年金を受け取ることができません。 そこで、60歳から65歳までの間に保険料を納付すれば、その期間を年金額に反映させることができる制度を設けました。 それが高齢任意加入です。現在この制度は、申し出がなければ65歳までは資格を喪失しないことになっています。 ですから、保険料を支払った期間が480月を超えた場合でも、保険料を納付してしまう可能性があるのです。480月を越えた分は年金額には反映されず、掛け捨てとなってしまいます。 これを防ぐために、保険料の納付済期間が480月に達した時点で、高齢任意加入被保険者の資格を強制的に喪失することになりました。 3.国民年金特例による高齢任意加入被保険者の拡大 特例による高齢任意加入というのは、※受給資格期間を満たしていない人たちに対して、年金を受給できるようにするために、特例的に設けられた制度です。 この制度は65歳から70歳まで加入することができますが、25年の受給資格期間を満たした時点で資格を喪失することになっています。 この制度に加入できるのは昭和30年4月1日以前に生まれた人に限られていましたが、それを拡大して、昭和40年4月1日以前に生まれた人も対象とすることになりました。 ※受給資格期間・・・国民年金を受け取るには、25年の保険料納付済期間が必要です。 4.若年者の国民年金保険料納付猶予制度 国民年金の第1号被保険者である学生は、本人の所得が一定以下の場合、申請すれば保険料の負担が免除される、学生納付特例制度というのがあります。 学生でない若年者にも、所得が一定以下の場合保険料が免除される制度がありますが、親と同居していると保険料は免除されません。 これを本人及び配偶者の所得により保険料の納付を猶予し、負担が可能となったときに追納できる制度が設けられました。 これが若年者の納付猶予制度です。 (内容) ・30歳未満の第1号被保険者で、本人および配偶者の所得が一定の基準に該当する人が対象です。 ・猶予された期間は、年金の受給資格を得る25年の期間には算入されますが、年金の額には反映されません。 ・猶予期間については、10年間は追納ができます。 ・猶予期間中であっても、障害・遺族基礎年金は受給できます。 ・平成27年6月までの措置です。 5.口座振替割引制度 年金保険料の納入を確実にするため、口座振替による納付を促進します。 今まで前納する場合にのみ割引制度がありましたが、口座振替によって毎月納付する場合であっても、割引制度を導入することになりました。 6.申請免除・学生納付特例制度等の承認の遡及 諸事情により、保険料を納付することが困難な第1号被保険者は、申請をすることにより保険料の納付を免除されます。 この制度は申請した時点から免除されるため、それ以前の保険料は、支払わなくてはなりません。 支払わない場合は滞納期間となってしまうため、無年金や、低年金になる可能性があります。 それを防止するため、また保険料を納付しやすくするため、申請したときから一定時期まで遡及して免除されることになりました。 7.老齢厚生年金定額部分の上限見直し 特別支給の老齢厚生年金(60歳台前半)の定額部分は上限が定められており、444月(37年)でした。 しかし、昭和19年4月2日以後生まれの人は、37年が上限では、定額部分の額が老齢基礎年金の満額より低くなってしまいます。 それを調整するため、昭和19年4月2日以後生まれの人は、上限を37年から40年(480月)に生年月日に応じて段階的に引き上げることになりました。 ・昭和19年4月2日〜昭和20年4月1日生 ・・・456月(38年) ・昭和20年4月2日〜昭和21年4月1日生 ・・・468月(39年) ・和21年4月2日〜 ・・・480月(40年) 特別支給の老齢厚生年金の定額部分の計算は、「定額単価×加入月数」です。 この計算のもととなる定額単価は、生年月日に応じて低くなっています。 ですから、上限を引き上げないと老齢基礎年金の満額を下回ってしまうのです。 (特別支給の老齢厚生年金の定額部分は、65歳になると国民年金の老齢基礎年金に変わります。) 8.60歳台前半の在職老齢年金の改善 現在、老齢厚生年金の被保険者は70歳までですから、60歳以後も働いて報酬を受け取る場合は、厚生年金の被保険者になります。 被保険者になると、報酬の額に応じて年金の額が調整されます。その調整支給される年金を在職老齢年金といいます。 在職老齢年金は、60歳台前半と60歳台後半で計算の方法が違います。 60歳台前半の在職老齢年金は受ける報酬がいくらであっても、一律2割は支給停止され、そしてさらに、報酬の額によって支給停止されていました。 それが、今回の改正で一律2割の支給停止が廃止されます。 9.障害厚生年金1級2級の最低保障(65歳以後) 障害厚生年金は障害等級1級〜3級の障害の状態になったときに支給されます。 現在3級には、年金額の最低保障があります。1・2級は、本来、国民年金の障害基礎年金があわせて支給されるため、受け取る年金額が3級を下回ることはありませんでした。 しかし、現在、厚生年金は70歳まで加入することになっています。 65歳以後、厚生年金保険の被保険者期間中の傷病により障害の状態になった場合には、障害厚生年金のみが支給されることになります。 年金受給権者は国民年金の第2号被保険者になれないからです。そのため、1級.2級の方が障害が重いにもかかわらず、年金の額が低額になる場合が生じてしまうのです。 そこで、1級.2級にも、3級と同額の最低保障が設けられました。 10.第3号被保険者の特例届出 国民年金第3号被保険者の届出は、以前、第3号被保険者本人が、市区町村の窓口で手続きをしなければなりませんでした。 その手続きをしないと、保険料納付済期間として扱われません。 そのため、年金を受け取ることができない、あるいは受け取ることができても、小額になってしまうという人が最近増えています。 この状況を改善するため、平成7年4月から平成9年3月まで、特例届出期間が設けられ、この期間に届出をすれば、一定期間遡って保険料納付済期間とすることができるという措置が講じられました。 しかし、それ以降も、年金を受け取ることができない人が多数出てきたのです。 そこで、再びこの特例が実施されることになりました。現在年金を受け取っている人も届出することができます。 この届出が行われ、年金額が改定になった場合は、将来に向かって改定されます。 (すでに年金を受け取った過去の分は遡って支給されることはありません。) 11.老齢基礎年金の繰下制度改善 国民年金の老齢基礎年金は通常65歳から支給されますが、これを60歳から64歳に、また66歳から70歳に繰り上げることも繰り下げることもできます。 受け取る年金額は、65歳より早ければ減額され、遅ければ増額されます。 このうち66歳以後に受け取る繰り下げ支給の請求が改善されました。改正前は66歳以後繰り下げ支給の請求を行う前に、他の年金受給権が発生した場合、65歳から他の年金受給権発生時までの年金が一括して支給され、繰り下げ支給の請求はできませんでした。 それが今回の改正でできるようになりました。 これにより、受給権者は今までどおり過去に発生した年金を一括して受け取るか、繰り下げ支給によりより増額された年金を受け取るかを選択することができます。 12.国民年金保険料追納に係る優先順位 すでに述べたように、国民年金には、保険料の支払を免除する制度があります。 その種類は、法定免除・申請免除(全額)・半額免除・学生納付特例制度による免除があります。 これらにより免除された期間については、後で追納ができることになっています。 この追納は、学生納付特例制度により免除された期間から行われることになっています。 他の免除期間は、たとえ追納がなくても、一部が年金額の計算の基礎となるのですが、学生納付特例制度による免除期間は全く反映されないからです。 しかし、仮に、学生特例免除期間の前に他の免除期間があったとします。にもかかわらず、学生特例免除期間を先に追納してしまうと、それより以前の、他の免除期間の追納ができずに、10年の期限を過ぎてしまう事態が起こり得ます。 そうなると、当然将来受け取る年金額に影響が出てきます。 このような問題をなくすために、今後追納を行う場合は、今までどおり学生特例による免除期間を追納するのか、それ以前の免除期間を先に追納するのかを選択することになりました。 13.育児休業期間に係る保険料免除制度拡大 育児・介護休業法に係る育児休業期間中は、年金保険料の支払が免除されますが、改正前は子が1歳に達するまででした。 改正後は子が3歳に達するまでの育児休業、または育児休業制度に準ずる休業期間中も同様に免除されることになりました。 14.育児期間に係る標準報酬月額みなし措置 育児休業を終え、職場に復帰しても、育児による勤務時間の短縮等により、報酬が育児休業取得前よりも下がる場合があります。 報酬が下がれば、年金の計算のもととなる標準報酬も下がり、受け取る年金が少なくなってしまいます。 そのような場合には、被保険者が申し出ることにより、年金額の計算に際しては、育児休業取得前の標準報酬をその期間の標準報酬とみなすこととします。 これは、子が3歳に達するまで等の措置です。 15.厚生年金基金免除保険料率の凍結解除 厚生年金基金には、厚生年金が支給する年金の一部を、代行して支給している部分があります。 この代行部分の保険料に関しては、国に納めることが免除されています。これを免除保険料といいます。 免除保険料は、基金ごとに率が定められており、2.4%〜3.0%で凍結されていました。 4月から、この凍結が解除され見直しが行われます。2.4%〜5.0%になる見込みです。 16.厚生年金基金の解散の特例措置 厚生年金基金が解散する場合、以後の給付を厚生年金基金連合会が引き継ぎます。 その際厚生年金基金は、最低責任準備金というのを用意しなければなりません。 これが不足している場合は、その不足分を、加入事業主から掛け金として一括徴収しなければなりません。 連合会は責任準備金に相当する額を解散する厚生年金基金から徴収して、給付の義務を負います。 しかし、今日の経済情勢により、加入事業主からの一括徴収ができないため、連合会への納付もできずに、解散したくてもできない厚生年金基金が増えています。 そこで、責任準備金の納付を一括ではなく、分割にして、少しでも納付しやすくする措置を設けました。 また、納付額にも特例措置が設けられました。一定の要件を満たす厚生年金基金が申し出ることにより、厚生年金本体のみに加入していたなら本体で形成されていたであろう積み立て金が納付額となります。 2005.3.30 by 斉藤 |
|||||||||||||||||||||
| Copyright (C) 2003 OFFICE DACHS All Rights Reserved |
|
このサイトはオフィスダックスお客様専用サイトです
|