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さいとう社会保険労務士事務所 経理情報     
  平成18年以降の年金改正
平成18年以降の年金については、以下のとおり改正されていきます。

・平成18年4月
障害基礎年金と老齢厚生年金との併給
保険料納付要件の特例措置の延長

・平成18年7月
厚生年金保険の支払基礎日数の変更
国民年金保険料の多段階免除制度の創設

・平成19年4月
65歳以上の配偶者に対する遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給の変更
子のない30歳未満の妻の遺族厚生年金及び中高齢寡婦加算の見直し
離婚時の厚生年金の分割
65歳以降の老齢厚生年金の繰下げ制度導入
70歳以上の被用者の老齢年金の給付調整

・平成20年4月
第3号被保険者についての厚生年金の分割
年金情報の定期的な通知

以下、詳細にご説明します。

【平成18年4月】
障害基礎年金と老齢厚生年金との併給
原則として、基礎年金と厚生年金は同じ支給事由についてのみ支給されます。(例外として、老齢基礎年金と遺族厚生年金は選択することで支給可能です。)ですから、障害基礎年金と併給できるのは、障害厚生年金のみです。これが今回の改正により、障害基礎年金と老齢厚生年金又は遺族厚生年金の併給が可能になります。障害を持ちながら働き、厚生年金の被保険者として保険料を納付し、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給しようとしても、その額は小額になってしまうことがあるからです。その理由は以下の通りです。
障害基礎年金とは、国民年金の被保険者期間中に障害の状態となったときに、障害等級によって支給されます。障害基礎年金の支給を受けることが出来るときは、国民年金の支払が免除されます。免除された期間に係る老齢基礎年金については、追納をしないと減ってしまうのです。
現行では、厚生年金保険料を納付し、それを反映させるために老齢厚生年金を受給しようとすると、基礎年金部分は支給事由が同一である老齢基礎年金しか選択できませんから、年金額が下がってしまうのです。
そこで、上記の併給を可能にしたのです。そうすれば障害基礎年金によってある程度年金額が保障され、自分で収めた保険料も年金に反映されます。

保険料納付要件の特例措置の延長
障害基礎(厚生)年金や遺族基礎(厚生)年金を受給するためには、保険料の納付要件があります。(年金を受給するために、事柄がおきてから年金保険料を支払っても受給できないということです。)その要件とは、被保険者としての全期間の2/3以上は保険料納付済期間か保険料免除期間であることです。実はこれには特例があります。それは、初診日(死亡日)の前日において、初診日(死亡日)の属する月の前々月までの1年間に保険料滞納期間がなければよいという要件です。この特例が、10年延長されました。(平成28年4月1日まで)

【平成18年7月】
厚生年金保険の支払基礎日数の変更
保険料の計算の基礎となる標準報酬月の決定には、一月に20日以上の支払基礎日数がある月が
対象となっていました。これが17日以上に改正されます。

国民年金保険料の多段階免除制度の創設
国民年金保険料の免除制度は、現在、全額免除と半額免除です。これに1/4免除と3/4免除が加わり、所得に応じた多段階免除制度となります。国民年金の滞納者を減らし、少しずつでも納付できるようにします。

【平成19年4月】
65歳以上の配偶者に対する遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給の変更
遺族年金は、自分の老齢基礎年金と併給して、いくつかのパターンの中から選択して受給することが出来ます。@老齢基礎年金+遺族厚生年金 A老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金の1/2+遺族厚生年金の2/3(遺族厚生年金は亡くなった被保険者の老齢厚生年金の3/4なので、
2/3×3/4=1/2・・・つまり、自分の老齢厚生年金と亡くなった被保険者の老齢厚生年金を半分ずつ受給するということ)です。
これを、自分が納付した保険料を確実に反映させるために、基本的に、自分の老齢厚生年金は全額受給します。そして、改正前の方法で計算した年金額と比較して、後者の方が高額のときは、その差額を遺族厚生年金として受給することになります。

子のない30歳未満の妻の遺族厚生年金及び中高齢寡婦加算の見直し
夫の死亡当時30歳未満で子のない妻等に対する遺族厚生年金は、5年間の有期年金となります。また、遺族基礎年金は18歳未満の子のある妻に支給されますが、子が18歳の3月31日を過ぎると支給されなくなるので、それ以後は遺族厚生年金のみとなり低額になってしまいます。
そこで、夫の死亡当時35歳以上の妻には中高齢寡婦加算というのが、40歳から65歳まで加算されるのですが、今回その中高齢寡婦加算が、夫の死亡当時(子が18歳の3月31日に達した時)40歳以上の妻に改正されます。
つまり、夫の死亡当時30歳未満の子のない妻は、5年の有期年金、30歳以上40歳未満の妻は遺族厚生年金、40歳以上の妻は中高齢寡婦加算がある遺族厚生年金となります。

離婚時の厚生年金の分割
離婚をするときに、夫婦の第2号被保険者期間中の厚生年金(婚姻期間中分)が
分割できるようになります。
賃金等に男女格差があり、受け取る年金額にも差ができてしまうため、
離婚をすると、女性の年金受給額が低額になってしまうことが多いからです。
分割の対象となるのは、厚生年金の報酬比例部分のみで、基礎年金には反映しません。
分割割合の上限は50%です。当事者の同意、又は裁判所の決定によって分割可能になります。

65歳以降の老齢厚生年金の繰下げ制度の導入
以前、老齢基礎年金とともに、老齢厚生年金の繰り下げ支給という制度がありました。しかし、
改正により、65歳以降も支給調整されることになったので、老齢厚生年金の繰り下げ支給制度は廃止されていました。それが、今回の改正で復活します。新しい繰り下げ支給制度では、繰り下げ支給制度の申し出をする前に、老齢・退職以外の年金給付の受給権が発生した場合は、その受給権が発生したときに繰り下げ支給の申し出をしたものとみなして、繰り下げ支給を受けることができます。また、繰り下げ支給ではなく、従来どおり65歳まで遡及して年金を一度に受け取ることもできます。年金の受け取り方を選択することができるということです。しかし、65歳に達した時点ですでに老齢、退職以外の年金給付の受給権者であるときは、この申し出をすることはできません。

70歳以上の被用者の老齢年金の給付調整
在職老齢年金は現在70歳未満の被保険者に適用されていますが、70歳以上の被用者にも適用されることになります。保険料は徴収されません。調整の仕方は65歳以上の場合と同様です。施行日以後に70歳になる人から、適用されます。

【平成20年4月】
第3号被保険者についての厚生年金の分割
平成19年4月に夫婦の厚生年金を離婚時に分割できるようになりますが、その婚姻期間中の
第3号被保険者期間については、第2号被保険者の納付記録を1/2に分割し、それぞれに年金給付が行われるようになります。この分割は、第2号被保険者の同意は要しません。
施行日以後の第3号被保険者期間が対象となります。

年金情報の定期的な通知
個人個人の保険料の納付実績を点数化して表示します。(ポイント制)
そのポイントを基にして、将来の年金見込額がわかるようにします。

 2005.8.2 by 斉藤


 
 

 
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